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薬剤師がかかりつけ薬局から門前薬局への転職をする時はどんな時?

薬剤師がかかりつけ薬局から門前薬局への転職をする時はどんな時?

今、トレンドでもあるかかりつけ薬局で働く薬剤師が門前薬局への転職をするのは、どのような時なのでしょうか。

これまでは調剤薬局と言えば病院やクリニックの目の前や隣にあるいわゆる「門前薬局」がメインでした。しかしながら、平成27年10月に厚生労働省が発表した「患者のための薬局ビジョン」では「門前から地域へ」という考えが示されました。

さらに平成37年をめどに「すべての薬局をかかりつけ薬局に再編する」などという話もでてきています。そのような話を聞くと、門前薬局への転職は避けた方がよいようにも思えます。

それでも、かかりつけ薬局から門前薬局への転職を決めた薬剤師さんにはどのような理由があるのでしょうか。

かかりつけ薬局から門前薬局になぜ転職したの?

私は薬学部を卒業後、地元でチェーン展開する薬局に就職しました。私が就職した当時から薬局ではかかりつけ薬局を目指しており、私も新人ながら努力していました。

かかりつけ薬局とは、「服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬理学的管理・指導」、「24時間対応」、「かかりつけ医をはじめとした医療機関との連携強化」という3つの条件を満たした薬局のことをいいます。

かかりつけ薬局になれば、患者さんの薬歴を一括管理することができます。ですので、医薬品の重複投与や相互作用のチェックを行ったり、患者さんのコンプライアンスや残薬のチェックも行うことにより、ひとりの患者さんを服薬指導をするうえで包括的にケアすることができるのです。

私は薬局薬剤師としてとてもやりがいがあることだと思い、仕事に取り組んでいました。しかしながら、「かかりつけ薬局」という制度は患者さんたちにはなかなか浸透していきませんでしたね。

それでも薬局にいらっしゃった患者さんに根気よく説明していくことで、少しずつかかりつけ薬局として利用してくれる患者さんも増えてきました。

そして、働き始めて2年を過ぎたころ、薬局の在庫管理を任されるようになりました。かかりつけ薬局では抱える医薬品の在庫の種類が多く、前任の薬剤師さんが苦労している姿を見ていたので、ちょっと重荷に感じました。

実際、在庫管理を担当してみると予想以上に大変でした。かかりつけ薬局として利用してくれる患者さんはいろいろな病院やクリニックの処方せんを持ってきます。勤めていた薬局は小規模の薬局でしたので、処方せんに記載された医薬品の在庫がないことが多かったのです。

在庫がない時は近くの門前薬局に医薬品を買いに行ったり、後から患者さんの自宅に医薬品を届けたりしなければなりません。薬剤師や薬局事務の人数の少ない薬局でしたので、私自身が門前薬局に医薬品を買いに行ったり、患者さんの自宅に医薬品を届けたりすることが多かったですね。

また、きちんと在庫管理をしていなかった私が悪いのかもしれませんが、医薬品の在庫数が足りず、患者さんに迷惑をかけてしまったこともありました。薬局のスタッフからは責められもしました。私にとって、煩雑になる在庫管理はストレスになるばかりでした。

また、24時間対応ということで当番で携帯電話を夜も所持していたのですが、薬剤師の人数が少ないため当番が頻繁に回ってきました。このこともストレスを増大させました。

また、かかりつけ薬局といっても患者さんしてみれば必ず行かなければならない薬局ではありません。来なくなってしまう患者さんもいらっしゃいます。不動在庫を抱えることも多くなってしまいました。チェーン薬局と言っても規模が小さかったので不動在庫の処理にも困り果てていました。

心身ともに疲れていた時に大学の同級生と会う機会がありました。同級生は大手チェーンの門前薬局に勤めていました。

在庫管理はパソコンで行っていて、発注点を入力しておけば自動発注される仕組みになっているという話を聞きました。24時間対応にしても門前薬局の薬剤師の人数が多いので、それほど大変ではないようでした。

平成28年度の調剤報酬改定で門前薬局は調剤基本料を大幅に下げられて大変ではあるが、「かかりつけ薬剤師」という制度が設けられたので、門前薬局の薬剤師さんたちは「かかりつけ薬剤師」になるべく努力しているとのことでした。

私は門前薬局は廃れていくものだと思っていたので、同級生の話には正直驚きましたね。その上、勤めていた薬局では、さらに「健康サポート薬局を目指そう」という話が持ち上がっていました。

健康サポート薬局とは、「かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能に加えて、国民による主体的な健康の保持増進を積極的に支援する機能を備えた薬局」として、法律上に位置づけるものです。つまり、「地域住民の健康を支援する薬局」として法令で位置づけられています。

ですので、かかりつけ薬局の基本的機能を持ち、さらに健康サポート機能を有することを必要とされるのです。私はこの薬局で働くのはもう限界だと思いました。同級生の話の影響もあり、門前薬局への転職を考え始めました。

転職活動はどのように行ったの?転職先を決めたポイントは?

まずは、いくつかの薬剤師専門の転職サイトに登録してみました。登録しないと閲覧できない非公開の求人案内があったためです。

一番の希望はは大手チェーンの門前薬局であることです。在庫管理で悩んでいた時、大手チェーンの門前薬局であれば店舗間で不動在庫の移動ができるという同級生の話を聞き、羨ましいと思いました。そのため、在庫管理で悩む必要がなく、薬剤師の数が多い大手チェーンの門前薬局で働きたいと思ったのです。

次に自宅からの通勤時間が60分以内であることです。プライベートを充実させることももちろんですが、薬剤師としての知識を拡げるための勉強もしたかったからです。

それから、年収が450万円以上であるということです。今の年収より下げたくなかったからです。

3社ほどの転職サイトからメールや電話をもらいました。しかしながら、仕事を続けながらの転職活動でしたので、連絡が途絶えてしまった転職サイトもありました。そのような私に対しても親身になってくれた転職サイトがひとつありました。結局、その転職サイトにお願いすることにしました。

そして、転職サイトのコンサルタントが勧めてくれた門前薬局は次の2つの薬局でした。

1つ目は総合病院の門前薬局でした。大手チェーンの門前薬局で在庫管理も機械化されており、難しくはないというお話しでした。総合病院の門前薬局であるため、さまざまな診療科目からの処方せんを受けており、処方せん枚数は1日150枚くらいということでした。薬剤師としての知識に自信のなかった私にとっては良い職場のように思われました。研修制度もしっかりしており、総合病院の門前薬局での勤務への不安も少し解消されました。年収は450万円というお話しでした。

2つ目は個人の内科のクリニックの門前薬局でした。大手チェーンの門前薬局のグループ薬局ではありましたが、規模が小さいため研修会などはあまりないようでした。診療科目は内科だけでしたので処方せん枚数は1日80枚くらいとのことでした。年収は500万円とのことでした。。

どちらも残業時間は少なく、休日も週2日ありました。どちらにしようか迷いましたが、1つ目の総合病院の門前薬局に転職することに決めました。年収は高くはありませんでしたが、研修制度がしっかりしており、在庫管理に振り回されずに私自身の薬剤師としての知識やスキルを磨けると思ったからです。初めての転職活動でしたが、コンサルタントが転職先と給料や休日など勤務条件の交渉も行ってくださいましたので、スムーズに進められました。

転職先の門前薬局の様子は?かかりつけ薬局との違いは?

転職先の勤務時間は9時~18時の1日8時間労働、残業もほとんどなく週1時間前後でした。

先ほどお話ししたように、総合病院の門前薬局ということでさまざまな診療科目の処方せんを受けておりとても勉強になりました。

在庫管理も自動発注が主流となっており、もし私が任されたとしても前職のようなストレスを感じることはないように思われました。

薬剤師は常勤7名パート薬剤師が2名、薬局事務が4名で、わからないことがあれば、すぐ相談に乗ってくれる人間関係も良好な職場です。

また職場の店舗間移動やヘルプで他店舗へ行けたこともいい経験となりました。かかりつけ薬局で働いているときは在庫管理のことで頭がいっぱいでしたが、今は薬剤師としての知識やスキルを伸ばせる余裕が生まれました。

「かかりつけ薬剤師」になるには高いハードルがありますが、今働いている門前薬局の薬剤師さんたちは「かかりつけ薬剤師」になるべく努力を怠らない方たちばかりです。

私もいずれはかかりつけ薬剤師になりたいと思います。今回の転職で門前薬局でも薬剤師としてのやりがいを感じることができると実感できました。

まとめ

いかがでしたか?

かかりつけ薬局のことが取り上げられることが多くなりましたが、まだまだ発展途上のようですね。かかりつけ薬剤師制度も始まり、門前薬局を取り囲む状況も流動的ですよね。もし、かかりつけ薬局で働いていて、限界を感じるようであれば門前薬局への転職を考えてもよいのではないでしょうか。

とはいえ、後悔しない転職をするためには情報収集をしっかりと行う必要があるでしょう。そして、あなたが転職先に何を求めているのか、将来自分が薬剤師としてどうなりたいのか考えることも大切です。一口に門前薬局といっても勤務条件はさまざまです。個人で情報を収集するには限界があるでしょう。

そのようなときは、薬剤師専門の転職サイトに登録することをお勧めします。コンサルタントがあなたの希望や条件を客観的に判断して、アドバイスしてくれることでしょう。現状に不満・不安があるのであれば、まずは薬剤師専門の転職サイトに登録して、情報を収集してみましょう。


執筆者情報

株式会社ドリームウェイ門前小僧 編集部

門前小僧は、厚生労働大臣から転職サポート(有料職業紹介事業)の許可を受けた(許可番号13-ユ-314851)株式会社ドリームウェイが運営するメディアです。転職サポートの経験を活かし、定期的なリライトや専門書を用いたファクトチェックなど、ユーザーに正確な最新情報を届けられるよう努めています。


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